【ツアー報告】レイライン紀行~鎌倉殿の夢のあと part2~

【ツアー報告】レイライン紀行~鎌倉殿の夢のあと part2~

1月9日(月)に実施しました仏教文化コミュニケーター牧野宗永氏と行く【鎌倉殿の夢のあと】のツアー報告第二弾です。

修善寺にて昼食の釜飯を堪能した後は、修禅寺『奥之院』へ
参加者からは「今まで修禅寺を訪れていても奥之院までは行ったことがなかった…」といった声も多く聴かれ、岩壁から流れおちる滝の音を聴いているだけで…身も心も洗われるようでした。

阿吽の滝と弘法大師像

降魔壇「修行石」

【修禅寺奥之院】
修善寺温泉にある本堂から修善寺川(桂川)沿いに上流に向かい、支流の湯舟川で折れてさらに3kmほど上ったところに位置する。石段を上がったところに駆篭の窟という岩の洞があり、岩壁にかかる「阿吽の滝」の飛沫をかぶる弘法大師像と降魔壇という修行石がある。仏法修業のために諸国を旅していた若き弘法大師が修業をした場所といわれ、真言によって魔族を封じた伝説が残されている。この地は天魔地妖が多く修行の妨げとなったため、大師が大空に向かって経文を書き、馳籠(かりごめ)の窟(いわや)に閉じ込めたとされている。

奥之院の階段入口横付近にたつ仏像が気になり…牧野氏に伺ったところ「沙伽羅竜王(しゃがらりゅうおう)」と教えてくださいました。沙伽羅竜王は、水に関連する仏法の守護神とのこと、頭にはたくさんの竜が刻まれておりました。

修善寺温泉のバス駐車場にて下車し桂川沿いの散策道、竹林の小径(ちくりんのこみち)を通りながら修禅寺へ

修禅寺(しゅぜんじ)】
曹洞宗の寺院、山号は福知山。正式名称は「福知山修禅萬安禅寺(ふくちざんしゅぜんばんなんぜんじ)」。修善寺温泉街の中心にある。地名は「修善寺」、寺名は「修禅寺」で表記は異なるが両方とも「しゅぜんじ」と読む。初期には「桂谷山寺」と呼ばれており、鎌倉時代より「修善寺」と呼ばれていたが、鎌倉時代中期に曹洞宗に改宗し「善」を「禅」に変更したとの説があるとのこと。

修禅寺『大日如来像』
修禅寺本尊のこの木造は、高さ103㎝、膝張り73㎝のほぼ等身大でに軒の寄木造り、目には推奨がはめこまれ、漆箔が施してある。その作風や体型、表情などが運慶の手になる奈良円成寺の国宝大日如来像とよく似ていたことから、運慶一派の作と期待され、痛みもひどかったため解体修復が行われた。昭和59年4月4日、首下の右裏面から『承元四年(1210)八月二十八日 大仏師實慶作』と書かれた墨書きがでてきた。幻の仏師といわれた実慶の最初の作例発見であった。また、胎内に納められていた錦袋から「謎の毛髪」も発見され、その後、学術調査を経て国の需要文化財に指定されたとのこと。

『大日如来像』は、普段は本堂須弥壇に安置されており、ツアー当日も姿を見ることができませんでしたが、そのお姿を想像しながら参拝いたしました。『大日如来像』は毎年、11月1日からの10日間は、ご本尊特別拝観期間として一般公開されているとのこと。機会あれば、ぜひこの時期に修禅寺を訪れてみたい。

【謎の黒髪…】
また、大日如来像の胎内に納められていた3束の毛髪と経文が発見されたことにより、謎の黒髪をめぐって歴史論争が展開された。その黒髪は、北条政子か?源頼家か?頼家の妻辻殿か?諸説が入り乱れるなか、現代科学を取り入れ解明を図ったところ、所有者はO型とB型の血液型であると判明、性別についてはほぼ女性のものと断定されたことから頼家説は消え、政子か辻殿が二分されることとなったが、結論のでないまま謎の黒髪は元どおり仏像の体内におさめられることとなった。なぜ、大日如来像の胎内にどんな思いをこめて黒髪を納めたのか謎のまま3束の黒髪は、また深い眠りについた。

指月殿(しげつでん)】
修善寺温泉街南側の鹿山は古くは塔の峰と呼ばれ、その麓に修禅寺の飛び地境内、指月殿がある。指月殿は、元久元年(1204)権力闘争の末にこの地で非業の最期をとげた源氏二代将軍頼家の菩提を弔うために、尼将軍とよばれた母の政子が建立、宋版一切経を納めた経堂と伝えられている。伊豆最古の木造建築物であるその堂内には、右手の蓮の花をかざし、左手を膝の上で掌を上に向けて置き『捻華微笑(ねんげみしょう)』の古事に基づく禅宗式丈六釈迦如来坐像が祀られている。

【日枝神社】
御祭神は大山咋神(おおやまくひ)。807年(大同2年)、修禅寺の鬼門の鎮守として弘法大師によって創建された「山王社」がそのはじまりと言われている。明治の神仏分離令により、修禅寺より分離された。昔、源頼朝に謀叛の疑いをかけられた弟源範頼が幽閉されたという信功院があった。本殿左側には、同じ根元から2本寄り添うように立っている樹齢800年の「杉の巨木(夫婦杉)」がある。

伊豆最古の温泉ともいわれる独鈷の湯(とっこのゆ)。

ここからは自由散策のお時間です。30分後にバス駐車場でお会いしましょう!
お土産を買うのもよし、喫茶店でお茶するのもよし…皆さん、楽しんでいってらっしゃ~い!
甘味処「一石庵(いっせきあん)」。今回、自由散策の際、お客様と一緒に来店させていただきました。「おしるこ」をいただきましたが、ほどよい甘みの小豆と焼いたお餅が絶妙なバランス!めちゃくちゃおいしかった~(^^♪修禅寺の門前、赤い欄干の橋のたもとにあるので、散策後のお休み処にオススメです。

修禅寺サイダーにすりたての「わさび」をいれて…この土地ならではの「わさびサイダー」もぜひ!楽しい時間は、あっというまに過ぎますね。修善寺での散策をおえて帰路へ。バスの中からも夕焼けに染まる富士山に出逢うことができました。

2023年の幕開けツアーは、穏やかな天気に恵まれ、富士山に見守られ、参加者皆様のたくさんの笑顔に出逢えることができました。あらためて『旅のチカラ』の素晴らしさを皆様から教えていただきました。解説&ご案内いただきました牧野宗永様、参加者の皆々様、この場をかりてお礼申し上げます。さらに皆様に喜んでいただける旅のご提案ができるようレイラインスタッフ一同精進してまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様にとって笑顔あふれる素敵な年になりますように・・・

“TRAVEL GIVES LIFE”~旅は生きる喜びをあたえるものです~